「遺品整理」にお金かかって大変なのですが、補助金制度みたいなのはないのでしょうか。
「遺品整理」に関して利用できる補助金制度などがないか、行政に聞きにいってみました。
「遺品整理」にお金がかかるけれども、補助金制度のようなものはないの?と疑問に思う方もいるのでは…と思い、今回は
「遺品整理」に利用できる補助金について
を調べてみました。
「遺品整理」にお金がかかるので、お金に関する助成制度がないか知りたいと思っている方に読んでいただきたい記事です。
目次
国レベルの補助金はある?
まずは「日本」として国で発令している「遺品整理」「片付け」「ゴミ」に関する補助金があるか調べてみました。
日本において「片付け」に関する所轄は国土交通省になります。
国土交通省は「空き家問題」に特に注力し、問題のある空き家は固定資産税率を高くする、空き家を譲渡する際に譲渡所得を3,000万円特別控除するなど、空き家をいかになくすかの措置が色々なされています。
さらに「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法に基づき、以下のような空き家に対する補助制度があることがわかりました。(→ 特別措置法について国土交通省のPDF)
空き家の活用に関連する補助
① 空き家再生等推進事業(平成20年度~)
概要:居住環境の整備改善を図るため、空き家・不良住宅の除却、空き家の活用等に取り組む市町村に対し支援を行う
→ 国土交通省の概要PDF
補助対象:空家等対策計画に定められた空家等に関する対策の対象とする地区において行う事業(上記要件は空き家の除却、活用に限る)
これらは社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金の内数です。(→ 国土交通省の交付金PDF)
「片付け」というよりは、空き家を改修して一般開放するような場合を想定した制度です。例えば著名人の住家を改築して文化施設にする等で利用できるかと思いますが「市町村に対し支援を行う」とのことなので、遺族が直接利用できる制度ではないようです。
② 空き家対策総合支援事業(平成28年度~)
概要:空家特措法を積極的に活用して、空き家・不良住宅の除去、空き家の活用、関連事業など総合的な空き家対策に取り組む市町村に対し支援を行う(社会資本整備総合交付金とは別枠で措置)→ 国土交通省の概要PDF
補助対象:以下の①、②を満たす市区町村
① 空家等対策計画を策定
② 空家特措法に基づく「協議会」を設置するなど、地域の民間事業者等との連携体制がある など
こちらも市区町村向けの補助制度です。著名人遺族が民間事業者となり、地域活性化のため住居を地域交流施設にするなどしつつ、行政と連携体制がとれれば、補助対象になるのかもしれません。
その他、過去には「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」「先駆的空き家対策モデル事業」「空き家所有者情報提供による空き家利活用推進事業」などがありましたが、どれも補助対象は市区町村および民間事業者であり、遺族個人で利用できる補助制度ではありませんでした。
※ 最新の補助制度の情報は国土交通省のホームページをご確認ください。
その他、遺品整理に関する補助
他に国による空き家以外の「遺品整理」に関する補助制度を探したのですが、見つかりませんでした。
都道府県レベルの補助金はある?
一括検索サイトで調べるのが便利
各市町村の支援制度は以下のサイトで把握することができます。
goo 住宅・不動産
全国815自治体(市区)の出産・子育て・不動産に関わる補助金や助成金、公共料金、ごみ収集など、暮らしに役立つ情報をリサーチするコーナーです。
自分の住んでいる地区にどんな補助制度があるのかがよくわかりますので、こちらのサイトは一度目を通しておくことをオススメします。
例えば、遺族が相続された実家をリノベーションしたいなと考えている時などは、世田谷区には【世田谷区環境配慮型住宅リノベーション推進事業補助金】という補助金があり上限40万円まで助成される、品川区には【住宅改善工事助成事業】という補助金があり上限20万円まで助成される、などとわかります。
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
住居の助成についてさらに詳しく知りたい場合はこちらの「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」も調べることをオススメします。
地方公共団体が実施する住宅リフォーム支援制度を検索でき、補助だけでなく、融資や利子補給、専門家等派遣なども同時に検索されるので、家に関して困ったことがあった時に役立つ行政の制度を見つけることができるかもしれません。
例えば、杉並区ではさらに【住宅修築資金融資あっせん】という利子補給があることがわかります。
「遺品整理」に関する補助金はない
国、都道府県といった行政で、空き家のリフォームや建て壊しに関する補助金は多少ありますが、基本的に「遺品整理」をする段階で利用できる補助金はないことがわかりました。
いかにその家が後世に遺す価値がありそうな建物だとしても、現時点では遺族が建物を保存するために申請できる補助金はないと思っていただいてよいかと思います。
「空き家」を壊してしまう前に
ただ遺族がもう住まないから「空き家」と更地にしてしまう前に、「空き家バンク」への登録を検討してみてはいかがでしょうか。空き家バンクに登録すると、空き家片付けの補助対象になることもあります。
詳しくはみんなの遺品整理のページがわかりやすかったのでご覧ください。
さらに味のある古民家の場合は、ぜひ遺すことを考えて「古民家住まいる」のようなマッチングサービスを検討していただければと思います。
気づいた点、気になった点
空き家に補助金が出るのは「公共施設にする」という条件が多く、それで全国に古民家を改造した施設が急増しているのかと気づきました。
調べていてすごく気になったのが、国土交通省の「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」です。
この制度があると、リフォームするお金がない遺族や古民家・旧家に価値を見出さない遺族は更地にした方が簡単でお金もかからない、となってしまいます。
だからどんどん歴史的価値がありそうな家屋があっさり建て壊されているんだと気づきました。ゆゆしき問題だと気づいてほしいです。
この問題に対処できる方法があるか、今後探ってみたいと思います。
引き続き調べて、新たな情報がわかり次第、更新していきますね。
まとめ
いかがでしたか?今回は、
「遺品整理」に利用できる補助金について
を調べてみました。
思っていたよりも、整えることに対する補助金はなく、壊すこと・変えることを補助しているものばかりだと気づきました。
フィールドアーカイヴでは、大切なものを壊したり変えたりせずに遺せるような情報をもっと集めてゆきたいと思います。
この記事があなたの「遺品整理」のお役に立てたら嬉しいです。
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