「遺品整理」のコツってありますか?
「遺品整理」の専門家から伺った、整理のコツをまとめてみました
「遺品整理」をやみくもにしていてもうまくいかないと悩んでいる方もいるのでは…と思い、今回は
「遺品整理」をする際のコツについて
をまとめてみました。
「遺品整理」はどうやったら効率的にでき、どういった注意点があるのか知りたいと思っている方に読んでいただきたい記事です。
目次
「遺品整理」の三つのコツ
「遺品整理」をうまく行うには「心を落ち着けるコツ」「遺品を仕分けるコツ」「身体を無理しないコツ」の三つのコツがあります。
心を落ち着けるコツ
遺品整理をする上でまず大切なのは「気持ちの整理をする」ということです。
写真など想い出のものを見つけるとつらくなってしまうということはよくあることなので、最初からそういう場所を片付けることは避け、
に書いたように、家電や大きい家具など、大物で要不要を仕分けしやすい遺品を思い切って片付けることで、気持ちの整理が徐々についてきます。
その他、心が落ち着かない時の「遺品整理の進め方」のコツとしては、
遺品整理が進まない時の進め方
② 一人でやらない
③『大事なもの』を見極める
④「遺品供養」の儀式をおこなう
⑤ 遺品の整理はまず職場のものから
⑥ 故人の核の部分は最後に
⑦ 寄贈やリサイクルに出して、次につなげる
の順番ですすめるとよいでしょう。
どうしても何も手がつかず、でも急いで整理しなくてはいけない場合は、遺品整理士のいる遺品整理専門の業者を頼るといいかもしれません。
不用品回収業者で”遺品整理もおこなっています”という会社の場合、遺品を回収することがメイン作業になりがちですが、遺品整理専門業者だと心のケアもしながら的確に仕分けを手伝ってくれる遺品整理士がいることがありますので、そういった観点から会社を選ぶのもコツです。
遺品を仕分けるコツ
遺品を分類するコツ
遺品を分類するとき何を基準に分類するのか。大切なのは「故人の気持ち」と「遺族の気持ち」です。
故人を気持ちを察する方法としては
が挙げられます。
それらを基準にしながら、最終的には遺品を託された相続人全員で話し合いをして、どう分類するかを決めていくのがコツです。
形見分けのコツ
法律で形見分けはしなければならないと決まっているわけではなく、個人の自由で形見分けをする・しないの決定を下すことができます。
ただ「遺言書」の中に形見分けに関して記載されていた場合は、法律上の効力がありますので、その通りに形見分けを行いましょう。
たまに「故人からこの品を譲ると言われていた」という人が出てきますが、基本的には「遺言書」やそれに類する書面がない限り、効果はありません。
本当にその約束があるのなら、故人が存命中にきちんと書面を交わしておくことが形見分けをする際の大切なコツです。
その他、形見分けには以下のような注意点があります。
形見分けの注意点
- 遺産相続が終わってから形見分けをする
- 形見分けの品は贈与税の対象になる
- 望んでいない人に無理に渡さない
① 遺産相続が終わってから形見分けをする
形見分けの品は相続の対象となります。遺産相続が終わっていない段階で形見分けをしてしまうと、相続人同士でトラブルになりかねませんので注意しましょう。
② 形見分けの品は贈与税の対象になる
形見分けの品は贈与税の対象になるので、貴金属などの高価なものを分配する際は気をつけましょう。
③ 望んでいない人に無理に渡さない
形見分けは無理にするものではありません。望んでいない人に押しつける形で渡すのはやめましょう。
保管せず処分を検討した方がいい品
遺品の中でも、基本的に以下のようなものは処分する対象となります。
処分の対象になる遺品
- 家電
- シミがついてしまっている衣類
- 汚れている布団や毛布などの寝具
- 故人が普段から使っていた日用雑貨、食器
もちろん処分するといっても一人の判断ではなく、相続人全員で話し合ってから決めてください。
① 家電
製造後5年までなら売れるので、5年を目安に確認してください。
それ以前の家電は、高くても数千円の世界になってしまいますが、不用品回収にするとお金がかかってしまうので、できれば無料で引き取ってもらえるようにしましょう。
パソコンやデジカメや携帯電話といったデジタル家電の場合は、「ソフマップ」などのパソコン専門店や「ハードオフ」などの家電に強いリサイクルショップなら、たとえ壊れていても売れる場合があります。最近では目の前でデータの消去をしてくれるため、中身を見られる心配もありません。
買取価格は100~1,000円程度になってしまいますが、パソコンはゴミとして処分するのに3,000円以上の「リサイクル料金」がかかってくることがあるので、出費を減らす意味でも売る価値はあるかと思います。
気をつけなければいけないのは、故人が著名人である場合です。例えば文筆家で作品の草稿をデジタルで遺していたり、カメラマンであったりした場合、データを消去してしまうと創作の過程が永遠に消えてしまうことになりますので本当に消去してよいか熟考してください。
シミがついてしまっている衣類
基本的には売ろうとせず捨ててしまってよい遺品です。
ただ、難民古着支援わかちあいプロジェクトやワールドギフトというリサイクル支援サービスもあるので、捨てるよりは誰かに役立ててもらいたいという方は利用を検討されてみてはいかがかと思います。
ファンがいるような故人であった場合には、イベントなどで愛用していた衣類を展示するというのは喜ばれることだと思うので、そういう意味では遺す価値があります。
汚れている布団や毛布などの寝具
これは、是非捨てずに欲しがっている方にあげてください。動物用に毛布を必要とする方などがいらっしゃいます。
寄付なども考えられますが、送料にお金がかかってしまうこともあるので、ジモティーの「布団」「毛布」などから近くで無料で引き取ってもらえる人を探すのがいいかと思います。
故人が普段から使っていた日用雑貨、食器
リサイクルショップ等で無料~少額で引き取ってもらうのが一般的です。愛着があるようなら、形見分けとしてもらうのが一番良いかと思います。
故人が著名人である場合は、捨てずに保管管理しておくと、いつか展示する機会があるかもしれません。
以上のように、処分の対象になる遺品であっても、必要としている人がいるかぎり、すぐに捨てようとしないのがコツになります。
いま価値がなくても保管しておいた方がいい品
今の時代すぐにお金にならないものでも、数十年後に価値が出てくる遺品は存在します。
短絡的にお金になるかならないかだけで判断するのは避けてください。
例として、以下のような品が貴重品になります。
民芸箪笥・欄間・障子
数年前までは、古民家にあるそういった遺品はほとんど見向きもされず壊されていましたが、近年、ブームにともなって一部のマニアを超えて広く一般にも購入されるようになり、高値の対象になっています。
コレクションされた品
「あの時捨てなければよかった」という品が時代を巡って出てきますので、場所があるのなら歴史的な遺品やコレクションされた遺品は捨てずに遺しておくか、寄贈するように心がけていただければと思います。
囲碁・将棋の道具
時代を待たずに高値がつきやすいです。良質な碁盤や将棋盤が残っていれば、10万円以上の値がつくケースも珍しくないそうです。
釣りの道具
釣りの道具も根強い人気があり、特に釣り竿は非常に売りやすい遺品です。
専門店だけでなく、質屋なども取り扱っている店が多く、妥当な値段で引き取ってもらえます。
洋酒
洋酒は、故人がよく飲むのに他の人が飲まないという場合に、非常に多く出てくる遺品です。亡くなった際の遺品整理で年代物の洋酒が続々と出てくるということがよくあります。
例えば「ルイ13世」。瓶は高級ブランド「バカラ」のデキャンタです。空き瓶でも売れるため、たとえ中身が入っていなくても捨てないほうがよいといえます。
近くに洋酒買取専門店があれば直接持っていくのもいいですし、ネットですと
【ファイブニーズ】というお酒買取の専門店があります。
故人がお酒のコレクターだった場合には、他で処分するよりも是非一度こういった場所で査定してもらうといいかと思います。
価値があるとわかり、すぐに売りたい場合
遺品に価値があるとわかり、業者に売りたいのだけれども、どんな業者があるかわからないという場合、専門業者が集まる組合に問い合わせて紹介してもらうのがコツです。
美術や古書には以下のような組合があります。
・大阪美術商協同組合
・京都美術商協同組合
・名古屋美術商協同組合
・金沢美術商協同組合
・日本現代版画商協同組合
・日本現代美術商協会
・日本洋画商協同組合
・日本浮世絵商協同組合
・全国刀剣商業協同組合
・現代美術商協同組合
・東京都古書籍商業協同組合
組合員になるには実績にくわえ推薦人も必要になるため、ここに所属している業者なら信頼できるといえます。
まずは組合の代表番号に電話をかけて、依頼したい分野の専門業者を教えてもらえばよいかと思います。
身体を無理しないコツ
自分一人で頑張らない
1人で遺品整理をしようとしないこと。相続人同士で協力しあうのは当然の事、親族も引っ張り出して手伝ってもらいましょう。
それでも無理だと感じたら、体を壊す前に遺品整理業者に頼るとよいかと思います。
自分に合った業者を選ぶ
せっかく業者を頼っても、思っていたのと違う対応をされて逆に徒労に終わってしまっては本末転倒です。
業者の種類を見極めるには、依頼する前にもともとどういう業種だったかを調べることがコツです。サイトを見れば、きちんとした業者なら必ず業者の歴史が掲載されており、元が廃品業者なのか最初から遺品整理業をしていたのかなどがわかります。
単に黙々と不用品を回収して欲しいだけなら不用品回収業者寄りの遺品整理業者、親身になって悩みを聞いてくれたり遺品供養などにも対応してほしいなら遺品整理業専門業者を選ぶとよいでしょう。
三つのコツを参考に無理なく遺品整理を行うとよいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は、
「遺品整理」をする際のコツについて
をまとめてみました。
「心を落ち着けて、身体を無理せず、慌てて捨てず、必要な人の元に渡す」のが大切です。
この記事があなたの「遺品整理」のお役に立てたら嬉しいです。
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