「遺品整理」に類する業界・業種・資格のある業者について調べました

遺品整理
40boy
40代男性

遺品整理って業界があるみたいなんだけれども、どんな業種でどんな資格があるのかな?

fiagirl
案内人

遺品整理業界は比較的最近できた業界です。業種や資格についてお話しますね。

「遺品整理」の業界ってどういう業界で業種や資格ってどうなっているの?と疑問に思っている方もいるのでは…と思い、今回は

「遺品整理」に関係ある業界・業種と資格について

をまとめてみました。

「遺品整理」に関係ある業種には何があり、どんな資格があるのかを知りたい方に読んでいただきたい記事です。

目次

遺品整理に関係ある業界

「遺品整理」には様々な作業があり、これらをそれぞれの業界に当てはめると以下のようになります。

「遺品整理」作業と関連業界

  1. 部屋の片づけ … 清掃業
  2. 特殊清掃、ごみ部屋清掃 … 清掃業
  3. 生前整理、福祉整理 … サービス業
  4. 遺品処理、遺品処分 … 一般廃棄物処理業
  5. 不用品回収、廃品回収、粗大ゴミ引き取り … 再生資源卸売業
  6. 遺品買取、リサイクルショップへの売却 … 中古品小売業
  7. 遺品供養 … サービス業
  8. 引っ越し … 運送業
  9. 相続書類手続き … 士業

なお現行の平成25年度日本標準産業分類には「遺品整理業」はなく、未登録の業種でした(2021年2月現在)。おそらくサービス業に属すると思われます。

遺品整理に関係ある業種

さらにそれぞれの業種を見ていきますと、

「遺品整理」作業と関連業種

  1. 部屋の片づけ … ハウスクリーニング事業
  2. 特殊清掃、ごみ部屋清掃 … 特殊清掃事業
  3. 生前整理、福祉整理 … 遺品整理事業
  4. 遺品処理、遺品処分 … 廃棄物処理事業
  5. 不用品回収、廃品回収、粗大ゴミ引き取り … 廃品回収事業
  6. 遺品買取、リサイクルショップへの売却 … リサイクル事業
  7. 遺品供養 … 寺院事業
  8. 引っ越し … 引越事業
  9. 相続書類手続き … 司法書士事業・行政書士事業・税理士事業

のようになります。現在は①から⑨までの全てを「遺品整理事業」が担っている状況になってきているのです。

遺品整理に関係ある資格

次に各々の業種に関係のある資格を見ていきます。

ハウスクリーニング事業

“他人の家を清掃する”という仕事の性質上、清掃への知識や技術は求められますが、特に資格がなくても法的には開業が許可されています
ハウスクリーニング事業に関係する資格は以下になります。

ハウスクリーニング技能士

公益社団法人 全国ハウスクリーニング協会を通して取得できる資格です。

平成24年にできた比較的新しい資格で、ハウスクリーニング業界唯一の国家資格です。厚生労働省指定試験機関の一つなので、公的な安心感があります。

ハウスクリーニング士

NPO法人 日本ハウスクリーニング協会を通して取得できる資格です。
ハウスクリーニング協会は”ハウスクリーニングを通じて地域の福祉に寄与し、認定資格講座及びハウスクリーニングの普及啓蒙活動を行っている団体”とのこと。

住宅の清掃について専門的な知識があることを証明してくれます。

整理収納アドバイザー / クリンネスト

一般社団法人 ハウスキーピング協会を通して取得できる資格です。

生活空間を清潔に保つ掃除のプロであることを証明してくれます。

清掃マイスター

一般社団法人 日本清掃収納協会を通して取得できる資格です。

洗剤や道具の使い方や汚れの取り方が学べ、プロの掃除家として必要な知識と技術が身についていることを証明してくれます。

日本掃除検定

一般社団法人 日本掃除能力検定協会を通して取得できる資格です。

日常生活に役立つ総合的な掃除能力を測り、証明してくれます。

特殊清掃事業

汚れ・悪臭の除去や害虫駆除は特別な許可や資格がなくても行うことが可能です。ただし、多くのケースでは大量のゴミや不用品、悪臭の染み付いた家具などを引き取らなければなりません。
そのため、以下の資格は会社として事業をするうえでほぼ必須の資格となっています。

一般廃棄物収集運搬業

調べていくと、実はこの資格取得は新規参入が非常に難しく、不用品回収業者の中には許可をとらずに違法に金銭を受け取って処理してる業者がいることがわかりました。

「客からお金をもらって、不用品をゴミとして回収するということは違法」ということです。

そのあたりのことは環境庁の「無許可」の回収業者を利用しないでください!のページが詳しいです。

良心的な業者は正直に取得していないことを告知した上で、各市区町村が許認可を与えている一般廃棄物収集運搬業者に運搬及び処分を委託するとのことなので、そういった業者か、本当に一般廃棄物収集運搬業の許可を得ている業者を選ぶようにしましょう。

古物商許可申請

警視庁から許認可をもらいます。
大量の不用品・リサイクル品等を扱う際に必須の資格です。

解体工事業

令和元年6月からは許認可がほぼ必須になった資格です。
汚れや悪臭を完全に除去するために、建物の一部を解体しなければならないことが多いからです。部屋の解体が必要な場合は、解体許可証を持っている業者を選んだ方がいいでしょう。


以上は特殊清掃会社として取得していなければならない(代わりの対応がなされているべき)資格です。特殊清掃サービスを利用する際は、会社の公式サイトなどでこれらの許可を得ていることを必ず確認してください。無許可の業者に依頼するとトラブルにつながる可能性が高いため、注意しましょう。

次に挙げる資格は「特殊清掃を請け負う人」に関係のある資格です。

臭気判定士

臭気判定士は、臭気測定法による測定を管理・統括する責任者で、臭気の濃さの正しい測定、評価により、環境保全に貢献します。

特殊清掃に関して2021年2月現在、唯一の国家資格でもあります。

事件現場特殊清掃士

事件現場特殊清掃センターを通して取得できる資格です。
事件現場特殊清掃センターは”誰かがやらなければならない、「ありがとう」と言われる仕事”として特殊清掃業界の健全化のために設立されたセンター。

サイトが別なので気づきにくいですが、一般社団法人 遺品整理士認定協会の関連団体がおこなっています。

民間資格ではありますが、2021年現在、唯一の特殊清掃に特化した資格となります。

脱臭マイスター

一般社団法人 日本除菌脱臭サービス協会を通して取得できる資格です。

全国で唯一の脱臭ノウハウに関する資格であり、腐敗臭清掃の為に脱臭マイスターの資格取得する業者が多いようです。

消臭作業において必要となる基礎知識やそれに関連した各種技術に関する技能を持っていることを証明してくれます。

普通免許 or 中型~大型免許

特殊清掃では大量のゴミや不用品を運搬するため、大抵はトラックを使用します。AT限定ではない普通免許か軽トラック2tトラック(できれば4tトラック)が運転できる免許であれば良く、準中型免許を取得する人が多いようです。

廃棄物処理事業・廃品回収事業

一般家庭の不用品回収・遺品処理は特別な許可や資格がなくても行うことが可能です。

しかし「特殊清掃事業」と同様に、大型・中型の家具などを引き取ることも多いため、以下の資格は会社として事業をするうえでほぼ必須の資格となっています。

一般廃棄物収集運搬業

「特殊清掃事業」でも書きましたが、この資格は新規参入が非常に難しいので、きちんと許認可を得ている一般廃棄物収集運搬業者と委託契約をしている業者を選んでください。

産業廃棄物収集運搬業

法人からゴミを回収する際に必須の資格です。
一般廃棄物収集運搬業よりは取得しやすいようです。

古物商許可申請

回収した不用品を売ったり、リサイクル品の買い取りをする際に必須の資格です。

家電リサイクル券取扱店舗登録

家電リサイクル対象商品であるエアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビなどの引取を行うために必須の資格です。

以上が会社として事業をするうえでほぼ必須の資格です。不用品回収事業者向けの資格を探したのですが特に見つかりませんでした。

リサイクル事業

リサイクル事業では、中古品を買い取って売る必要があるため古物商の資格が必須です。この資格を持たないリサイクル業者を利用するのは絶対にやめましょう。

引越事業

「運送業者」の中で引越を専門に行う業者を「引越業者」又は「引越専門業者」と呼びます。従って必要なのは運送業の許可となります。具体的には、

一般自動車貨物運送事業 or 貨物軽自動車運送事業

このどちらかで申請をおこなうことになります。「一般貨物自動車運送事業」は普通トラックで、国土交通大臣の許可を受ける必要があります。「貨物軽自動車運送事業」は軽車両(軽トラック)で、国土交通大臣に届出する必要があります。

申請手続きは所管の地方運輸支局で可能です。

寺院事業

調べてはじめて知りましたが、お坊さん(僧侶)になるのに資格は必要ないようです

お金をもらって適当にお経を唱えても問題はないという驚きの結果が得られましたが、そうとはいえ通常、僧侶になるためには仏教の宗派に入門することが必須となります。

入門は誰でも許されるわけではなく、一般的には仏教系の大学に進学し、卒業後に仏門に入る儀式を受け、僧侶として認められるまで修行をするという手順をふむ場合がほとんどとなります。

士業

遺品整理では士業のうち「司法書士」「行政書士」「税理士」などが関係あり、それぞれの国家資格を取得していることが必須です

遺品整理業者が後から資格を取得するというよりも、遺品整理業の会社が士業の資格を有している人物に業務を委託するという形が一般的かと思われます。

遺品整理事業

遺品整理業は上に掲載したすべての作業を行うため、すべての資格を持っているか、必要に応じて業務委託することが必要です

詳しいことは別の記事に書きます。

注意が必要な「資格・認定」の落とし穴

調べていると、特に必要ではない資格や認定なのに華やかな名称なため、”よくわかっていない利用者”を欺く謳い文句として利用していることがあるとわかりました。

公的な資格なら安心かと思いきや、天下り団体のために受験料収入目当てで作ったと噂される資格もちらほらあったので、資格を取る方も利用する方も注意が必要です

例えば気になった資格を出している協会のリンク先を自分の目で見て、確かめてください。優良事業認定もお金で買えるものが存在するとわかるかと思います。それが良い悪いではなく、その事実を知ったうえでどう判断するか、です


fiagirl
案内人

業界・業種・資格のことをよく知ったうえで無理なく上手に利用しましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は、

「遺品整理」に関係ある業界・業種と資格について

をまとめました。

もちろん正しく使う業者も多く存在するのですが、お金で簡単に買えてしまう資格も存在するので、そこまで資格や認定を信頼しないよう注意しましょう

この記事があなたの「遺品整理」のお役に立てたら嬉しいです。

コメント

  1. […] 「遺品整理」業界について […]

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